かたる戦後、日本は預金封鎖を実施しました。国債も消えたことがあります。今のギリシャのような歴史を歩んできたのですね。わが国の借金はおよそ1000兆円とも言われています。しかし政策で、この1000兆円を半額にも出来ます。ソフトバンクはスプリントの買収にあたり、借金をしてそのお金を想定して、早めに為替予約を入れたと言います。この構想はおそらく為替が80円台の時に、始まったと思われます。90円で予約を入れたとして現在は120円ですから3割以上もドル価値は上昇しています。海外から見れば円資産の国の借金も、ドル表示では、およそ3割減っている訳ですね。デフレ脱却とは、期待インフレ率を高める政策ですね。その為にマネタリーベースを増やし、市中に出回る日銀券をばら撒く政策です。当然、皆が未来の資産価格の上昇を考え、株や土地を買う訳です。
2003年から起った米国金融を主体するわが国の資産価格の上昇は、本番に備えた予行練習です。今、ようやく異次元緩和からハローウィン緩和と…日本の本気度が試されていますが、既に大量のマネタリーベースが増えたのを見ても…、未だに量的緩和は効かないなどと…寝ぼけたバカ説を唱えている輩が大勢います。そのような人は、日本国債が紙くずになった歴史や、預金封鎖をおこなった歴史を知らないのでしょうか? 1990年後半から2000年初めにかけて行われた竹中平蔵の厳格なバブルつぶしが、果たして必要だったのかどうか…三和銀行ではなく、あの時はUFJ銀行ですが、銀行の査定で大丈夫と言う前提が崩され、消えた会社は「木村リスト」と言う制裁を市場で受けました。鐘紡などは代表事例です。民間企業が手を上げたにもかかわらず、公的機関が無理やり土足で、市場原理を踏みにじり、公権を振り回し民間企業から富を搾取するやり方が正しかったのかどうか…。その名残が、名称を変えるジャパンディスプレイなどの大株主の存在なのでしょう。
本来は、期待インフレ率が存在すれば…これほどバブル時の債務処理に苦しむことはなかった筈です。この後半の10年は、明らかに行き過ぎですね。双日もこの犠牲の為にMSCBを発行し、一株当たりの価値を無理やり下げさせられました。野村証券のやり方は色々あったはずですが…まるで詐欺集団の如く、証券マンのプライドを大きく傷つけました。みんな間違いだらけの国策のしわ寄せが、末端の国民まで降り注いだわけです。ようやく安倍政権を頂き、黒田総裁の誕生です。今、国策は「期待インフレ率」を、必死になって育てようとしています。
でも異次元緩和からの相場をみると…米国景気の回復に頼った円安効果銘柄が、どちらかと言えば、上げの主体です。一方、異次元緩和からハローウィンと政策の拡大をしたにもかかわらず、内需株の動向は鈍いですね。最近になってようやく邦銀株の上昇が始まったばかりです。国際優良株の多くは、過去最高値に躍り出る銘柄も多くありますが、政策の恩恵を受ける筈の内需銘柄は、なかなか浮上しません。おかしいですね。市場の動きは間違っている。シャープは、二度目の再建策に追い込まれています。通常、堺工場などの大型の設備投資が円安で効果を発揮し、採算が大きく改善している筈です。それにも拘らず…何故、再び沈むのか?
液晶も半導体もそうですが、数千億円もの投資をしたのに…為替が大きく改善しているのに、何故、採算ラインを上回ることが、出来ないのでしょう。カタルは単純ですからね。どう考えても投下資本が大幅に劣化したとも思えませんね。だって為替は戻ったのですね。努力で改善できる範囲と考えています。だから基本的に、銀行団は再建策を受け入れ、シャープは再建される可能性が高いと踏むべきでしょう。それとも三洋に続き、シャープまでもが消え、また5万人もの人が職を失うのでしょうか? 銀行は既にリスクを背負える体質になっている筈ですね。だからシャープは買い場なのでしょう。きっと…。カタルはそう考えています。
一方、ケネディクス、竹中平蔵の採用した政策は、明らかに行き過ぎた面がありました。だから、なかなか「流動性の罠」から抜け出せないのです。秀和や桃源社などのバブルやくざのような連中を、消えさせたのではないのですね。興銀は、わが国を代表する産業振興を願った銀行だったのです。長銀や日債銀の比ではないですね。その受け皿のみずほの株価が、200円台で低迷しています。過去、興銀の株価は非常に高かったですね。カタルが入社した当時も、今より株価は高かったですね。今調べたら興銀は280円台でした。あれから36年ですね。金融が劣化している国が、栄えた試しはありません。金融は経済活動の要なのですね。比較的、記憶の新しい2006年4月の三菱UFJの高値は1950円です。今回の政策を受け、必ず、この高値の奪還をするとカタルは考えています。それも遠くない近い将来において…ようやく、長い眠りから覚めますね。
同じことがケネディクスにも、言えると思っています。必ず、流動性に罠から抜け出し、資産インフレは起きます。そうして行き過ぎた竹中政策の怨念相場が生まれるのが道理ですね。バブル処理は、日債銀や長銀などが消える年に解消されたはずです。カタルの年代は日本国債が消えた日の記憶はありません。でもカタルが入社した当時、6.1%国債を苦労して販売しているときに、「国債だけは買わない」…と、おじいちゃんから否定されました。話を聞くと、国が騙したと言うのです。今では考えられませんね。6.1%の利付国債が売れない時代なのです。政策と言うのは…そう言うものですね。
カタルは現役時代を通して、多くを学んできました。田中角栄の朋友だった駒形重吉から銀行ではなく保険屋をやるべきだった…と、彼は晩年、悔やんでいました。理由はインフレ率の問題ですね。保険料は現在の価値で貰いますが、その資金を資産投資に振り向けます。資産の増え方は毎年の稼ぎを上回るから、ロイズなど…保険会社のビルは、皆、一等地にそびえ建つのです。政策が正しいなら、市場も、必ずその方向性で動き、実態経済を映し出すのでしょう。これまでカタルは、いつも…いつも…正しい政策を念頭に置き、お客様にセールス活動をしてきて…失敗の連続でした。それは政策が誤っていたためです。しかし今回は…マネタリーベースの増大を見れば分かるように、正しい政策の実行ですね。なかなか市場は、その意向を汲みませんでしたが…ようやく邦銀株も動き出してきました。まだまだ序盤ですね。マラソンで言えば、ようやく体が温まって来たかどうか…の段階でしょう。政策の後押しがある限り、必ず、流動性の罠から抜け出し、期待インフレ率は高まるのです。だって日銀券などは輪転機を回せば、いくらでも印刷できる紙屑です。価値のある株を買うのが筋ですね。だからブラックロックは、地所を買い増ししているのです。
怯むことはありませんね。信念を持って…進めばいいだけの話しでしょう。